医者の格差

データからではわからない医者の収入のばらつきについて見てみましょう。 押さえるべき点は、「勤務医」と「開業医」であると先述しました。
この二者は大きく異なっていて、簡潔に言えば「勤務医はサラリーマン、開業医は社長」ということです。勤務医は会社員と同じように病院に雇われて働き、給与をもらっています。破産はしないが大金持ちにもならないといった印象です。一方、開業医は銀行からお金を借り、起業しています。倒産のリスクももちろんありますし、事業が大当たりして拡大したり、チェーン経営を行ったりすることもあるので、一発逆転も狙えます。勤務医の給料は、ほぼ100%年功序列です。研修医になりたての若い医者はこの年功序列という衝撃を受けるかもしれません。あの先生よりこの若い先生のほうがはるかに仕事をたくさんこなしているし、患者さんにも信頼されていて、優秀だと思ってしまうことがあるからです。しかし、医者という仕事は経験がかなりものをいう世界でして、外科医の世界はさらにその傾向が強いので、「医師歴が長い、つまり医者のスキルが高い」という法則がかなりの確率で当てはまるのです。ある医局では、学年が一年上がるごとに年収が100万円ずつ増えていくという、とてもわかりやすい年功序列制度を用いているところもありました。勤務医がこの年功序列を打破し、突き抜けた給与を手にするためには、限られた方法はありません。しかし、どちらも大変厳しい道です。若手の医者はやはり、年功序列であっても安泰な大学病院にて採用され、最新の医療の現場で経験を積みたいと思うかもしれませんし、一般病院では、人手不足が問題となっているため、より優秀な若手を採用したいと思っているでしょう。一般病院にて、多くの患者さんと近い距離でコミュニケーションを取り、経験を積んでいくこともひとつの道だと思います。