医者のお金事情

ここからは、医者のお金について本音をお伝えしていきましょう。本書はここまでデータや論文などの客観資料を踏まえて、ひとりの医者の意見として書いてきました。しかし、本章では、自分の経験と、知人の医師たちから聞いた主観的な話をお伝えしていきたいと思います。「お金」というテーマの性質上、はっきりとしたデータがあまり存在しないからです。さて、まずは医者の年収についてみていきましょう。医者は大きく二種類にわけることができます。「勤務医」と「開業医」です。みなさんも聞いたことがある単語だと思いますが、ざっくり分けると、勤務医とは、 〇〇病院などの大きな病院に勤めている医者のことをさします。求人に応募し、雇われている医師のことだと思ってもよいでしょう。そして開業医とは、〇〇医院、 〇〇クリニックと名のついた小さな診療所で勤めている医者のことです。病院と診療所の違いとしては、大雑把にいえば「入院できる設備かがあるかどうか」という点です。病院にはベッドがあって入院ができますが、診療所にはヘベッドは基本的にはありません。なかには「有床診療所」という入院施設を少しだけ持った診療所もありますが(四人以下が対象)、全国にある約10万ある診療所のうち、8000足らずと例外的と言えます。二種類の医者について知っていただいたところで、まずはデータから見ていきましょう。厚生労働省かが行った調査によると、医者の給与は次のようになっています。病院勤務医は月123万円(平均43.4歳) 、個人の開業医は月205万円(平均59.4歳)で、年収にすると勤務医は1479万円、開業医は2458万円となります。開業医の年収はずいぶん多く見えますが、開業医の数字は純粋な給与ではありません。診療所の開業資金の返済や、設備に使うお金もここから支払います。このデータは全国の病院勤務医11157人、 開業医71192人というかなりの大人数を対象にした調査ですので、信頼できますが、平均年齢にはおよそ16歳の差があります。病院勤務医は一般的に年齢が上がれば給与は増えていきますから、それを加味すると、年収の差はもう少し小さくなると考えるのが妥当でしょう。